■Baton & OMAKE Comics

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☆同題ssTB・同題TB二次-V


『ローズ&ドラゴンと巡るシュテルンビルト』
 そんな地域振興VTRが作られた。
 街中をふたり旅のように紹介する単純なものが、記録的な売上となる。
 ドラゴンキッドの可愛らしさは勿論、素ではしゃいだ後に少し照れながら本来のキャラに戻る女王様の新たな魅力に、市民は虜だ。
/ふたり旅

     *―*―*―*―*

「99.5°Fですね」
 体温計を読むバニーにきょとんとしていると、
「37.5℃。微熱です」
 折紙が背中から顔を出す。
「ドリール度だと?」
「93.75 °D……って何百年前の話ですか」
 歓談してるとこ悪いが、アカデミー漫才はやめてくれ。おじさん余計に熱出ちゃう。
/37.5℃

     *―*―*―*―*

 それはカタパルト発射がまだまだ実験段階だった頃。着地点を見誤った結果、施工中の建物に突っ込んでしまった事があった。
 幸運だったのは、そのビルの所有者がロックバイソンのファンだった事。
 不運だったのは、ヒーロースーツがまだ固まっていないコンクリートに埋まった事だ。
「幸運だろ。見てみろよ、このプレート。ロックバイソンの印象化石だってよ。喜ばれてんじゃん」
「俺は未だ現役だ」
/印象

     *―*―*―*―*

 怖い夢を見たと少年が泣く。また両親が殺された日の記憶を上塗りせねば。
 頭を撫でながら思い出すのは、伝説を打ち立てたヒーロー。不正の記憶を何度消そうと、消える事のなかった良心の呵責に苛まれ酒に溺れ、つい先日死んだと耳にした。
 君も同じ道を辿る気かね、バーナビー。
/オーバードーズ

     *―*―*―*―*

 例えば突然の事故に巻き込まれて命の危機に晒されたとき、この街の人は神様ではなくヒーローの名を呼ぶ。
 それは諦めに似たお祈りでも、最期に見る優しい幻でもない。本当に本物のヒーローが居ると知っているから。
 希望を捨てさえしなければ。
「来たぞ、ワイルドタイガーだ」
/優しい幻

2014/05/24(Sat)

☆同題ssTB・同題TB二次-IV


 夏の夜は満天の星、クリスマスには決まって雪が降った。
 庭は常に花で溢れ、ありふれたお茶やお菓子がとびきり美味しくなる。
 祖父母は憧れの魔法使いだった。
 だからその名は誇りだ。いつしかキング・オブ・ヒーローの影に隠れた二つ名。風の魔術師。
 魔法使いに必要なのは王の笏ではなく魔法の杖なんだ。
/憧れの

     *―*―*―*―*

「くっだらねぇ。吐き気がするね。なぁ、ヒーローなんて辞めちまえよ、坊主。そんで俺達の仲間になんな。お前ならきっと優遇されるぜ」
「わたしの前で他のコを口説かないでくださいまし、ジェイクさま。けれども忍者くんを引き込むのには賛成ですわ」
 誰が、と言いかけたイワンに、湯気立つ緑茶の注がれた湯呑みが突き出される。
「毒を以て毒を制す。この街────いいえ、世界中を解毒するには効果的でしょう」
「何の事か解んねぇって面だな。お前、それ重症よ?」戯けて大笑いしたかと思えば、向けられる視線には鋭い殺気。「いいか、お前らヒーローがNEXTの在り方を歪めてんだ。手前で手前の首も仲間の首も絞めてよ」
「僕たちは……何も」
「貴方達がこの街にばら撒くものの所為で、私達一般のNEXTまで皆、"ヒーローのように"聖人君子であることを求められる。ただ人で在りたいだけなのに。──それはね、」
 正義と云う名の。
/偽薬

     *―*―*―*―*

「性別転換NEXTが出たぞ!」
「ボクかけてもらいたい」

「惚れ薬NEXTが出たぞ!」
「わ、わたしは別に」

「発情させるNEXTが出たぞ! アントンと折紙は特に気をつけろ」
「お前もな」

「毎分三㌧のパウンドケーキを作るNEXTが」
「サマンサおばさん!」
/ご都合NEXT

     *―*―*―*―*

 伝説の虚像。歴史の大部分がそうであるように。
「格好良いっすよね。貫禄があって」
「造りは素晴らしいと思います」
 この男にはレジェンド像を見上げる私がどう映ったのか。
「では、仕事がありますので」
 向ける背に微かに届く声。
「おじさん、管理官さんにレジェンドの話題は……」
「絶対ファンだって。俺には判る」
────どちらを否定したものか。
/禁句

     *―*―*―*―*

「いいか、後ろの孔を指で抑えて咥えないとだな……」
「あら、何だか卑猥」
「チーズが出るって話だろ!」
「……ま、抜けたらお得意のマヨネーズ注ぎゃ良いんじゃね?」
「それは下の口からかい、それとも上の────」
「好きにしろ!」
「最低」
「僕たちは板蒲鉾タイプにしましょう」
/チーズかまぼこ

2014/04/18(Fri)

☆同題ssTB・同題TB二次-III


 寂しいのはボクだけだって思ってた。
 本当は厄介払いだったらどうしようって。
 そんな訳なかった。
 時差があるのに毎日ボクが寝る前に電話を、手紙もメールも沢山くれる。
 紫苑の花言葉なんて知らなくても、ちゃんと愛情に気付けた筈なのに。
 ごめんね爸爸、媽媽。ありがとう。
 大好きだよ。
/謝罪

     *―*―*―*―*

 沢山の人の希望になれと両親が発明したヒーロースーツ。
 二〇年経った今も僕や僕の大切な仲間を、この街の人々を守ってくれている。
 もう四半世紀先にはどう発展を遂げるのか。
 それは折紙先輩達が見届けてくれるだろう。
 そして更に次の世代へと、彼らの願いはきっと繋がってゆく。
/半世紀

     *―*―*―*―*

「ここをダーッと行って三つ目を右にガッと曲がって、そのまんま坂を下って左から二つ目をビッと行きゃあすぐそこだ」
「この通りを真っ直ぐ、三つ目の信号の角を右に、坂道を少し行けば三叉路になっていますので真ん中の道に入ればすぐ左手に看板が見えますよ」
/角

     *―*―*―*―*

 通りゃんせ通りゃんせ。
 行きはよいよい戻るはならぬ。
────こっちに来てもいいの?
「どうしてそんな事訊くんだよ」
────よく考えて。思い出して。
「お前がいなきゃ生きてる意味、なんて……」
────本当に?
「……楓の花嫁姿が見たい」
────それだけ?
「母ちゃんにも兄貴にも、まだ。それに彼奴等。俺がいなきゃ悩み相談する相手他にいねえし。手のかかる相棒も……、俺がジェイクに負けたから次は彼奴で」
────。
「ごめん、まだそっちには行けねえや」
────どうして謝ることがあるの。貴方を送り出すのはわたしの特権なのよ。
────いってらっしゃい、あなた。
/一方通行

     *―*―*―*―*

 病室は冷たかった。
 母が何か言ったが、ただ音が響くだけ。
「……友恵」
 寝台の脇に崩折れ、白布を払った。
 取った手は握り返される事なく滑り落ちる。
「俺、今日は沢山人を救けて犯人捕まえたんだぞ」
────見てたわよ、大活躍だったじゃない。
 記憶と写真の中でしか妻はもう笑わない。
/滑り落ちる

2014/04/18(Fri)

☆同題ssTB・同題TB二次-II


 草木も眠る丑三つ時。屋敷の地下室に響く物音。
「ふむ、針が通り難いな」
 しかし強度は十分だろう。
「さて、次は…」
 裁縫道具を脇に置いて、筆に手を伸ばした。
 再び物音だけが室内に響く。
「完璧だ」
 手形の模様が描き入れられたマスクを青緑の電灯に翳し、男はほくそ笑む。
/午前三時
 実に怪しい光景だったが、それを指摘する者は誰もいなかった。

     *―*―*―*―*

「いえ……私のこれは寝不足からくる隈ではなくて」
 トレーニングセンターに来る度、何度この台詞を口にすれば済むのか。
 血行を良くするマッサージのメモ、美容アイマスク、良質な睡眠の為の料理レシピ。
 お節介な彼らに持たされた我楽多と共に、ヒーロー管理官は今日も帰路に着く。
/寝不足

     *―*―*―*―*

 NEXTに対する風当たりの強い中、助けた人に化物と罵られ、能力の減退に苛まれながらも、身を呈して他人を助け続けた人。
 救いようのない馬鹿な男だった。八百長までして、最後は酒に溺れて。
 けれどその姿は確かにこの街の希望になった。
 市民は今も彼を伝説のヒーローと呼ぶ。
/ひとすくい

     *―*―*―*―*

 大量の飴玉が降って来て「駄洒落のNEXTよ」とのアニエスの説明を理解した。
 その日は雨だったのだ。
 ローズとファイヤーはバイソンの影に隠れ、飴の品評会。
 キッドは巨大な盥を取り出しブーメランのように操って飴を集め、拍手喝采アンコール。
「あー……犯人捕まえて良いか?」
/あめ

     *―*―*―*―*

 俺は高い所が大好きだ。
 スカイハイみたいに好きに飛び回れるわけじゃないが、カタパルトで打ち上げられ、高速で上がって落ちる感覚は病み付きさ。
 俺は飛ぶ。飛べない牛はただの牛だ。
 だから
「は、早く……、早くして。……ぅわぁあああ────ッ!!!!」
/自己暗示

2013/11/23(Sat)

☆同題ssTB・同題TB二次-I


「オマエら折紙が見切れないよう抑えとけ」
「また写真ですか」
「子供はすぐにデカくなっちまうからな。ほら、バニーも入れ」
「ぼくはもういい大人です」
「オマエさんの場合はコレ」
 渡されたのはサマンサおばさんの形見のアルバム。僕の四つのクリスマスが最後の。
「残りのページ全部さ、埋めてやろうぜ」
/記念撮影

     *―*―*―*―*

「さあ、次は誰かしら?」
 舌舐りするその様は小動物を甚振るのを楽しむ女豹。細められた双眸が鋭い光を放つ。今の姿に比べれば普段は慎ましやかとさえ言っていい。
 本気を出したネイサンの前に男たちは尽く大敗を喫した。
 身包みを剥がされて震える戦友の有様に肝が冷える。
/野球拳

     *―*―*―*―*

 ヒーロー好きだったらしい妻はイベントに分刻みの予定を立てる。
 毎日疲れ果て、ホテルに帰れば即、就寝。新婚の甘い夜は何処へやら。
 そんな旅行先での生活は二週間続けられた。
 街を去る日、俺はシュテルンビルト限定折紙ロックハイプラモセットを買って帰る事にした。
 忍者に騎士に戦車。男の浪漫だ。
 今度来たらブルーローズちゃんのサインを貰うんだ。
/ハネムーン

     *―*―*―*―*

「娘と亡き妻に誇れる己でいる為だな」
「両親の遺志を継ぐ為に」
「私の能力で救える人がいるの」
「力の使い道を他に思い付かなかっただけさ」
「世界中の人が助け合う契機になりたい」
「故郷の家族に格好良い所を見せたいんだ」
「この美貌を皆に届ける義務があるのヨ」
「親友との夢を守る為」
/なぜなら

     *―*―*―*―*

 人酔いをして逃げ込んだ港。桟橋の先には先客が居た。
 仕立の良いスーツに眼鏡。およそ釣人には見えない男が近海に糸を垂らしている。
「釣れますか?」
「釣れますよ」
 魚篭は蛄なのに男は即答した。
「大きな魚……いや、金塊がね」
後の見切れ職人と若き金融王との出会いであった。
/きんかい

2013/11/23(Sat)