■Baton & OMAKE Comics

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☆同題ssTB・同題TB二次-VII


『よう、ジュニアくんに坊ちゃん、それから皆! 元気か?』
 ライアンが街を去って数日後に届いた近況報告のメール。
「意外にマメだな」
 変わらない様子に皆の顔が綻ぶ。
 イワンだけが青褪めて新しい雇い主との写真を睨んでいた。
「……お祖父さん」
「じゃあ、海の向うの大富豪って……」
/胃痛

     *―*―*―*―*

 家庭、組織、国。人は集合の元である事で己の位置を測り、安心する。
「僕も例に漏れないと云う事ですね」
 好敵手で、仲間でもある僕達の集合。
「良いじゃないですか。お陰で人が人を大切に思う気持ちが解るんだから」
 同窓も集合の一つですね、と微笑う歳下の先輩は意外に頼もしい。
/集合

     *―*―*―*―*

「しっかし街中が蟹だらけだな。女神の祭っつうか蟹祭り?」
「この街の名物です。蟹グッズに蟹料理」
「あの神話からの流れで食っちゃうの?」
「美味しいですよ。蟹すき、天婦、刺身、焼き蟹。大きな動く蟹看板が目印です」
「……パレードに食い倒れ太郎が混じってやがる」
/かに

     *―*―*―*―*

 能力の相性が良さそうだった。息も合う。良いコンビになる自信があったんだ。
 けど、それは一人じゃ無理だ。
 だから置いて来たのに、なに俺を追い越してオーナー助けてんの。
「ライアン!」
 言われなくたって判るさ。
 悔しいねぇ。頼られるのが嬉しいぜ。
「俺に指図すんなっつーの」
/照れ隠し

     *―*―*―*―*

 お前がいなくなった時、能力が減退した時。もう終りかなって思った時は何度かあった。
 けど相棒も仲間も居て。今まで守ろうとしてきた街の奴らに支えられて、何とかやってるよ。
 人生に節目はあっても最終回なんてのは無いもんさ。だから悩んで迷って、これで良いのかって自問自答しながら精一杯走り続ける。
 これからもヒーローやりながら、な。
/最終回

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2014/05/27(Tue)

☆同題ssTB・同題TB二次-VI


 三つの原石がある。
 ひとつはぴかぴか光る電気石。暗闇さえも恐るるに足らず、電光石火で飛んでゆく。
 ひとつは冷たく澄んだ氷長石。清き面に悪人の、忘れた良心も映し出す。
 ひとつは七彩の滴玉石。変幻自在の影を目にするは空に虹を見るが如し。
 さて此処に三つの原石がある。より強く輝く導きの星へと磨き上げられるを心待ちに。
/石

     *―*―*―*―*

 旅行雑誌を開いて話に花を咲かせてみても、複数人が纏めて休暇を貰えることは滅多にない。
「皆引退してからなら大丈夫じゃない?」
「同窓会みたいで良いかもね」
 その会話を横で聴いていた虎徹が任せろと胸を叩いた。
 女子組が引っ張って行かれた先は同市内。
「折紙ん家露天風呂だろ」
「はあ……。よし、残りお三方も呼びましょう。この際ですから皆で」
/温泉旅行(気分)

     *―*―*―*―*

「ワイルドタイガーは格好良かったのに」
 HERO.TVに野次を飛ばす姿。黙って見てらんない。
「お父さんてば格好悪い」
「楓……」
 もっとヒーローしてたかったって顔に書いてあるんだもん。だからお母さんも病室からお父さんを追い出したんだ。
「行かないでなんて言わないわ」
 何時迄も親恋しい子どもじゃないもの。
/いかないで

     *―*―*―*―*

「俺の名はゴールデンライアン! 世界は俺の足元に平伏す」
「僕はバーナビー・ブルックスJrです。フッ」
「ふははははは!」
「フッ」
「ふははははは!」
「フッ」

「何だかあの二人の周りだけいつもきらきらしてるね」
「眩しいで御座る」
「うわ、うざ……っ」
/らい

     *―*―*―*―*

 初っ端が駄目だったんだ。喧嘩腰で怒鳴っちまった。
 だから下手に出てお願いする。
「なあ、頼むよバニー。一回で良いから」
「……」
 無視だ。こっちを見もしねぇ。
 だが俺は諦めないぞ。今度こそ口説き落としてやる。
「もう海に落とさない。無茶な運転して壊したりしねぇから」
/今度こそ

2014/05/27(Tue)

☆同題ssTB・同題TB二次-V


『ローズ&ドラゴンと巡るシュテルンビルト』
 そんな地域振興VTRが作られた。
 街中をふたり旅のように紹介する単純なものが、記録的な売上となる。
 ドラゴンキッドの可愛らしさは勿論、素ではしゃいだ後に少し照れながら本来のキャラに戻る女王様の新たな魅力に、市民は虜だ。
/ふたり旅

     *―*―*―*―*

「99.5°Fですね」
 体温計を読むバニーにきょとんとしていると、
「37.5℃。微熱です」
 折紙が背中から顔を出す。
「ドリール度だと?」
「93.75 °D……って何百年前の話ですか」
 歓談してるとこ悪いが、アカデミー漫才はやめてくれ。おじさん余計に熱出ちゃう。
/37.5℃

     *―*―*―*―*

 それはカタパルト発射がまだまだ実験段階だった頃。着地点を見誤った結果、施工中の建物に突っ込んでしまった事があった。
 幸運だったのは、そのビルの所有者がロックバイソンのファンだった事。
 不運だったのは、ヒーロースーツがまだ固まっていないコンクリートに埋まった事だ。
「幸運だろ。見てみろよ、このプレート。ロックバイソンの印象化石だってよ。喜ばれてんじゃん」
「俺は未だ現役だ」
/印象

     *―*―*―*―*

 怖い夢を見たと少年が泣く。また両親が殺された日の記憶を上塗りせねば。
 頭を撫でながら思い出すのは、伝説を打ち立てたヒーロー。不正の記憶を何度消そうと、消える事のなかった良心の呵責に苛まれ酒に溺れ、つい先日死んだと耳にした。
 君も同じ道を辿る気かね、バーナビー。
/オーバードーズ

     *―*―*―*―*

 例えば突然の事故に巻き込まれて命の危機に晒されたとき、この街の人は神様ではなくヒーローの名を呼ぶ。
 それは諦めに似たお祈りでも、最期に見る優しい幻でもない。本当に本物のヒーローが居ると知っているから。
 希望を捨てさえしなければ。
「来たぞ、ワイルドタイガーだ」
/優しい幻

2014/05/24(Sat)