■Baton & OMAKE Comics

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☆同題ssTB・同題TB二次-II


 草木も眠る丑三つ時。屋敷の地下室に響く物音。
「ふむ、針が通り難いな」
 しかし強度は十分だろう。
「さて、次は…」
 裁縫道具を脇に置いて、筆に手を伸ばした。
 再び物音だけが室内に響く。
「完璧だ」
 手形の模様が描き入れられたマスクを青緑の電灯に翳し、男はほくそ笑む。
/午前三時
 実に怪しい光景だったが、それを指摘する者は誰もいなかった。

     *―*―*―*―*

「いえ……私のこれは寝不足からくる隈ではなくて」
 トレーニングセンターに来る度、何度この台詞を口にすれば済むのか。
 血行を良くするマッサージのメモ、美容アイマスク、良質な睡眠の為の料理レシピ。
 お節介な彼らに持たされた我楽多と共に、ヒーロー管理官は今日も帰路に着く。
/寝不足

     *―*―*―*―*

 NEXTに対する風当たりの強い中、助けた人に化物と罵られ、能力の減退に苛まれながらも、身を呈して他人を助け続けた人。
 救いようのない馬鹿な男だった。八百長までして、最後は酒に溺れて。
 けれどその姿は確かにこの街の希望になった。
 市民は今も彼を伝説のヒーローと呼ぶ。
/ひとすくい

     *―*―*―*―*

 大量の飴玉が降って来て「駄洒落のNEXTよ」とのアニエスの説明を理解した。
 その日は雨だったのだ。
 ローズとファイヤーはバイソンの影に隠れ、飴の品評会。
 キッドは巨大な盥を取り出しブーメランのように操って飴を集め、拍手喝采アンコール。
「あー……犯人捕まえて良いか?」
/あめ

     *―*―*―*―*

 俺は高い所が大好きだ。
 スカイハイみたいに好きに飛び回れるわけじゃないが、カタパルトで打ち上げられ、高速で上がって落ちる感覚は病み付きさ。
 俺は飛ぶ。飛べない牛はただの牛だ。
 だから
「は、早く……、早くして。……ぅわぁあああ────ッ!!!!」
/自己暗示

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2013/11/23(Sat)

☆同題ssTB・同題TB二次-I


「オマエら折紙が見切れないよう抑えとけ」
「また写真ですか」
「子供はすぐにデカくなっちまうからな。ほら、バニーも入れ」
「ぼくはもういい大人です」
「オマエさんの場合はコレ」
 渡されたのはサマンサおばさんの形見のアルバム。僕の四つのクリスマスが最後の。
「残りのページ全部さ、埋めてやろうぜ」
/記念撮影

     *―*―*―*―*

「さあ、次は誰かしら?」
 舌舐りするその様は小動物を甚振るのを楽しむ女豹。細められた双眸が鋭い光を放つ。今の姿に比べれば普段は慎ましやかとさえ言っていい。
 本気を出したネイサンの前に男たちは尽く大敗を喫した。
 身包みを剥がされて震える戦友の有様に肝が冷える。
/野球拳

     *―*―*―*―*

 ヒーロー好きだったらしい妻はイベントに分刻みの予定を立てる。
 毎日疲れ果て、ホテルに帰れば即、就寝。新婚の甘い夜は何処へやら。
 そんな旅行先での生活は二週間続けられた。
 街を去る日、俺はシュテルンビルト限定折紙ロックハイプラモセットを買って帰る事にした。
 忍者に騎士に戦車。男の浪漫だ。
 今度来たらブルーローズちゃんのサインを貰うんだ。
/ハネムーン

     *―*―*―*―*

「娘と亡き妻に誇れる己でいる為だな」
「両親の遺志を継ぐ為に」
「私の能力で救える人がいるの」
「力の使い道を他に思い付かなかっただけさ」
「世界中の人が助け合う契機になりたい」
「故郷の家族に格好良い所を見せたいんだ」
「この美貌を皆に届ける義務があるのヨ」
「親友との夢を守る為」
/なぜなら

     *―*―*―*―*

 人酔いをして逃げ込んだ港。桟橋の先には先客が居た。
 仕立の良いスーツに眼鏡。およそ釣人には見えない男が近海に糸を垂らしている。
「釣れますか?」
「釣れますよ」
 魚篭は蛄なのに男は即答した。
「大きな魚……いや、金塊がね」
後の見切れ職人と若き金融王との出会いであった。
/きんかい

2013/11/23(Sat)

☆同題ssTB・同題TB二次-兎龍【壱】


「女の子は恋の魔法で綺麗になるの」
 そう言うファイヤーエンブレムさんはいつも綺麗。
 ブルーローズさんも益々綺麗になってく。
「恋をしたらボクも魔法にかかるのかな」
「楽しみですね」
 お兄ちゃんの顔で微笑むバーナビーさんに胸がちくりとしたのは、ボク自身にも内緒。
 だって。
 まだ、妹でいたいから。
/秘密

    ○●●

 ‘Happy Birthday’のカードが添えられた大きな箱に。
「ワンピースだ……」
 入っていたのは青紫のドレス。
 紫苑の髪飾りと同じ色。
 独りでに頬が火照る。
 思えばバーナビーから貰った物は全部食べ物だった。
────明日どんな顔で逢えばいいの。之を着て行った方がいいのかな。
/はこにわ

    ●●○

「美味しい!」
 虎徹の炒飯に顔を輝かせる。
 味は悪くはないがやや油っこい炒飯を、本場の中華料理で育った筈の宝鈴が絶賛するのが不思議だ。
 率直に問うと「バーナビーさんだっていつもより沢山食べてるのに」と笑った。
「懐かしい味がするの。妈妈のお料理を食べてるみたい」
/懐かしい

    ○●●

 一匙、口に運ぶ毎に輝く。
 本当に美味しそうに食べるな、とバーナビーは感心しきりだ。
「これならタイガーさんも喜んでくれるよ」
 そうだった。宝鈴が自ら申出てくれた試食係なのだ。
「今度は虎徹さんと三人で食べましょう」
「ボクも?」
「勿論」
 いつからか貴女の喜ぶ顔が見たくて。
/匙

     ●●○

「比翼の鳥ってどんな味がするんだろうねぇ」
 リクエストに応え、長恨歌を母国語で朗読し終えたパオリンの呟きでそのまま一気に現実に引き戻された。
「連理の枝にも美味しい実がなると良いですね」
 夢見顔のキッドを皆があの子らしいと笑う中、一人、バニーだけが真面目くさって返すのだ。
「……架空の生き物だってちゃんと解ってるよ?」
「貴方が言うと実在しそうな気がしてくるんです」
 アレはアレで息ぴったりというのだろう。彼奴等いつまであのままなんだと思う反面、いつまでも変わらずにいて欲しいとも思う。
 虎徹は父親の心境でそっと溜息を呑み込んだ。
/比翼連理

2013/11/23(Sat)